鰻をさいて、串を打って、炭火で焼く。
昔ながらの手仕事をこつこつと積み重ねながら磨き上げてきた目利きの技で、
良質な鰻を仕入れています。
同じ産地でも、生産者の違いや、季節の違いによって味が異なるため、
それぞれの中から店主が納得のいくものを厳選し、鰻料理に用いています。
仕入れた鰻は、備長炭で濾過した天然の井戸水で泥を吐かせます。
そして、ご昼食用には脂がほどよく抜けてさっぱりとした味わいをお楽しみいただけるように、
焼く少し前にさばいておきます。
一方、ご夕食用にはお酒とも合い、脂の乗った濃厚な味わいに焼き上げるため、
ご注文を受けてからさばくようにしています。
鰻の開き方には背開きと腹開きがあり、関東風は「腹切り(切腹)」を嫌って「背開き」に、
関西風は「腹開き」にする習慣があります。
当店は関西風のため、「腹開き」をしてから串を刺し炭火でじっくりと焼き上げ、
濃厚で香ばしい味わいの蒲焼きをご提供しています。
「焼きは一生」と言われるほど、鰻は焼き加減が勝負です。
大きさや脂の乗り方によって、焼け具合が異なるため、当店では一尾ごとに火の入れ方を考えて身や皮に串を通す位置を調整し、火にかけます。
炭火には 100%備長炭を用い、身の質や火力を肌で感じながら、炭の量を増減します。
脂が多い鰻は、じっくり焼いて脂をほどよく落とし、
皮が厚めの鰻は、火を強く入れて身をふっくらと焼き上げていきます。
蒲焼き用のタレに使う醤油や氷砂糖は、鰻の名産地・浜松で
昔から使われてきた市内老舗のものを仕入れ、
山椒は浜松市天竜区春野町産のものを使用し、地産地消にこだわっています。
米は、店主が産地ごとにその年の出来映えを吟味し鰻料理にぴったりな米を厳選しています。
味や香りを楽しむだけでなく、目でも美味しく味わっていただきたいという想いから、
当店では、お料理を盛り付ける器にもこだわっています。
店主が産地に出向いて仕入れた陶器の器などを用い、お食事の席を彩り豊かに演出します。
お客様に気持ちよくお料理をお楽しみいただけるように常に笑顔のおもてなしを心がけています。
そして、鰻料理を美味しく味わいながら、お客様が円満なひとときをお過ごしいただけるよう
心尽くしのおもてなしをご提供しています。